新着情報

2021年卓上カレンダーのご案内

 当金庫は毎年、産学連携の一環として、地元芸術大学のご協力のもと卓上カレンダーを制作しています。2021年のテーマは「未来に残したい光景」として、京都芸術大学 美術工芸学科の皆さんに作品を提供していただきました。移りゆく季節の情緒あふれる光景をお楽しみください。

未来に残したい風景
 2021年はテーマを「未来に残したい光景」としました。光景とは実際の風景だけではなく、忘れたくない光景や理想の光景も含みます。コロナ禍により世界中が大きく影響を受ける中で、このカレンダーを手にとられる方々に明日を少しでも前向きに楽しく過ごしていただけるよう、学生たちが想いを込めて作りました。
 京都芸術大学美術工芸学科は、日本画、油画、写真・映像、総合造形、染織テキスタイル、基礎美術という6つの個性的なコースから構成されています。そこで今回はその特徴を生かし、技法を統一することなく多様な方法で一つ一つのイメージが仕上げられています。月ごとに繰り広げられるバラエティ豊かな表現を、ぜひお楽しみください。

京都芸術大学美術工芸学科 学科長 竹内 万里子

表紙 「悠久」

 八坂の塔や八坂通に立ち並ぶ町屋からは、京都らしいゆったりとした年月の流れを感じることができます。四季や時間帯によって姿を美しく変えるその風景を楽しみに、一年を通して幅広い年齢層の方が訪れています。
  多くの人に愛され続ける街並みを、今後も未来に残していきたいと考えこの光景を描きました。
(美術工芸学科 基礎美術コース 2年 谷口 雄基)

2021年『卓上カレンダー』


1月 「紅白」

 お正月の楽しく賑やかな雰囲気と、冬の凍てつくような寒さの両方を意識して描きました。様々な神社の鳥居の中でも、ここ滋賀県の日吉大社は鳥居や参道、木々にも雪がつもり、毎年とても綺麗な景色になります。
  白く冷たい空気の中に力強く構える真っ赤な鳥居と、それを飾るかのように並んでいる木々を美しく表現し、実際に見たことのない方にもこの空気感が伝わるよう努めました。
(美術工芸学科 油画コース 3年 濱口 季代茄)

2021年『卓上カレンダー』


2月 「自分らしい時間」

 柔らかな光がさす中で自分の事を振り返る瞬間が、私の「未来に残したい光景」です。心を落ち着かせる温かいお茶を飲みながら日記を書く時間は、自分自身を見つめ直すことができます。卓上左に描いたみたらし団子で、和やかな雰囲気を演出しました。
  寒さが続きながらも、新しいスタートの季節である春を目前にした2月には、このような光景が相応しいと思いました。
(美術工芸学科 染織テキスタイルコース 2年 LEE HYUNJEE)

2021年『卓上カレンダー』


3月 「心躍る」

 暖かくなりはじめる3月は、植物たちが新しい春の訪れを歓びながら、新たに動き出す季節です。そこで私は「生命の開花」をテーマに、冬の寒さから暖かい空気に心を躍らす京都市左京区にある霊艦寺の椿を描きました。
  霊艦寺では、大切にお手入れされている沢山の椿を特別拝観時に眺めることができます。椿の花が咲き誇り、散りゆくまでの一瞬の尊さや雅やかな情景は、「未来に残したい光景」のひとつです。
(美術工芸学科 日本画コース 3年 橋本 百合香)

2021年『卓上カレンダー』


4月 「はじまりの朝」

 春が訪れる喜びをテーマに制作しました。大阪の東和薬品RACTAB ドーム(旧:なみはやドーム)、ひらかたパーク、打上川治水緑地をコラージュした風景画です。地元の人に愛される場所を組み合わせ、日常風景の貴重さを残そうと心がけました。
  桜とメジロを取り入れ、「春は曙」という枕草子の言葉から、春の早朝を設定して描いています。日本画材の岩絵具を使用し、まだ人が動いていない静けさと春の柔らかさを表現しました。
(美術工芸学科 日本画コース 3年 田 咲惠)

2021年『卓上カレンダー』


5月 「初夏の緑」

 自然を慈しむ暮らしをテーマに描きました。京都に住んでいると、便利な都会という側面がありながら自然も大切にしていると感じます。
  昔から日本人は、感じ取った美しい自然を日本庭園として作り出し、楽しむ文化があります。東福寺には美しい苔庭と迫力ある三門があります。爽やかな緑と小さな蛙で5月の世界観を表現しています。
(美術工芸学科 日本画コース 2年 吹ノ戸 梨花)

2021年『卓上カレンダー』


6月 「静謐」

 梅雨の季節6月は、外へ出かけることを控えたくなる季節です。人通りが少ない街の静けさを雨が一層引き立てます。この作品はそのような「雨の日の静けさ」をテーマにしました。
  平安神宮の大鳥居を初めて見たとき、あまりの大きさに鳥居だと認識できませんでした。その凛とした佇まいが深く心に残っているので、「未来に残したい光景」に選び、静かで壮大な光景を描きました。
(美術工芸学科 総合造形コース 2年 田村 真理子)

2021年『卓上カレンダー』


7月 「夜の輝き」

 京都の夏の風物詩であり、観光名所にもなっている鴨川納涼床をテーマにしました。江戸時代から続く伝統的な鴨川納涼床に、多くの人で賑わっている光景を残したいと考えました。暑い夏を少しでも涼しく感じていただきたいです。
  また、ゴッホ風のタッチで描くことで、今まで訪れたことがない方にも興味を持っていただけるのではないかと考えました。
(美術工芸学科 油画コース 1年 大内田 加奈)

2021年『卓上カレンダー』


8月 「ひととき」

 京都駅から出るとすぐ見上げてしまう京都タワーは、京都のシンボルです。展望台から映る街並みや山々、夜空に咲く花火を見て、夏の暑さを忘れるような作品に仕上げました。
  夏の思い出のひとときを胸に未来に進んでいきたいとの願いを込めて描きました。大切な人と京都タワーで景色を見ながら、思い出話に花を咲かせてみるのはいかがでしょうか。
(美術工芸学科 油画コース 1年 辻 希望)

2021年『卓上カレンダー』


9月 「月照らす」

 9 月は残暑がありながらも初秋の涼しさを感じられる季節なので、その両方を表現できるよう工夫しました。また、9 月には月が美しく照らす十五夜があり、その儚さも未来に残したいと思いました。
  宇治茶の郷、和束の茶畑に9 月の草花を加え、“月が光る暗い夜” と“華やかに踊る花々” の対比を楽しんでいただきたいです。写真をコラージュし、9 月の京都の空気を感じられる作品に仕上げました。
(美術工芸学科 写真・映像コース 2年 北川 春葉)

2021年『卓上カレンダー』


10月 「今日の」

 コロナ禍をきっかけに、これまで見逃してきた日常の大切さに気付き、目を向けることができました。そこで、日常の中で一番好きで大切にしている食事の光景を、「未来に残したい光景」に選びました。
  食欲の秋を表現するため、秋の味覚をメインとしたおかずや具材が並んでいます。金時人参や鹿ケ谷かぼちゃ、聖護院かぶといった京野菜も入っているので、京都ならではの味覚を想像してみてください。
(美術工芸学科 日本画コース 2年 太田 朋香)

2021年『卓上カレンダー』


11月 「秋園」

 11月は秋、秋といえば紅葉。赤と黄の色彩が織りなす美しい秋の光景をコンセプトに描きました。瑠璃光院では秋になると100種類以上の紅葉を堪能することができます。漆塗りの机に反射した紅葉が見どころです。
  幻想的な日本情緒溢れる美しさを残したいと思い、この瑠璃光院を描きました。作品は油絵具を使用し、美しい秋の光景を表現しました。
(美術工芸学科 油画コース 1年 田中 優香子)

2021年『卓上カレンダー』


12月 「短景」

 京都の冬特有の軽さや、伝統とモダンが調和した「レトロポップさ」を大切に制作しました。短い陽の温かさや降る雪の軽やかさを感じさせる京都嵐山の竹林やトロッコ列車をモチーフに構成しています。
  昔からある里山の中を、現代的なトロッコ列車が往来する風景に、長い歴史と現代が入り混じり共存する京都らしさを感じ、「未来に残したい光景」に選びました。
(美術工芸学科 油画コース 3年 樋田 みち瑠)

2021年『卓上カレンダー』


≪京都信用金庫の卓上カレンダー≫
  当金庫は、5つの地元芸術大学(京都市立芸術大学・京都精華大学・京都芸術大学・嵯峨美術大学・成安造形大学)の学生の皆様のご協力により、毎年卓上カレンダーを制作しています。