「棚田」保全活動の開始
京都信用金庫では、今年度より営業地区である滋賀県において、「棚田」の保全活動に取り組んでいます。
「棚田」の役割は、単に米を生産する場だけでなく、保水・洪水の調節、土壌浸食の防止などの環境保全機能を有しているほか、生態系保全の役割や、日本の原風景とされる景観を保全する意味からも重要視されています。
また、滋賀県においては琵琶湖に流れ込む川の上流で、水と土と人々の生活を守るかけがえのない存在です。
このかけがえのない環境を守るための「棚田」保全活動は、近畿農政局、近畿経済産業局、近畿運輸局の農商工等連携事業計画に認定されている「びわ湖と循環型農業体験学習を組み込んだエコ・ツーリズムの推進」事業に参加する形で実施しています。
当金庫の活動が、地域振興の一助となり、美しい「棚田」の風景が守り続けられることを願っています。
平成23年第1回 棚田保全活動
「代かき」・「田ならし」
田植えの前に土をやわらかくする「代かき」と、田の高低をなくす「田ならし」を行いました。鍬や鋤、スコップなどを使い、水と土を混ぜ合わせ足を使ってこねました。
耕運機を使わず行う作業は重労働でしたが、全身で自然を感じながら行うことができました。
平成23年第2回 棚田保全活動
「田植え」
約300?の棚田で田植えを行いました。1列にきれいに並んではいませんが、完全に手作業で植えた苗の成長を楽しみにしながら、全員泥だらけになって作業を進めました。
田植えの途中では、カエルなど様々な生き物にも出会うことができました。
平成23年第3回 棚田保全活動
「草抜き」
5月15日の田植えから約1ヵ月、途中大雨の日が続いたこともあり、稲の生育を心配していましたが、順調に育っています。
本日の作業は、草抜きです。あいにくの雨模様でしたが、職員14名が作業にあたりました。棚田は常に水の流れがあるため、雑草が生えにくいとのことでしたが、「今後の生育のためにも全部抜いておこう」と、全員が田に入って草を抜きました。
稲を避けながらの草抜き作業は難しかったものの、3回目の作業で職員も田にだんだん慣れてきたのか、作業はスムーズにすすみました。
平成23年第4回 棚田保全活動
「草抜き」・「草刈り」
田の中の草抜きに加え、田の周りの草刈りも行いました。
田の中の雑草は手作業で抜き取り、田の周りは草刈機を使いました。
棚田は水の流れにより雑草が生えにくいとのことですが、毎日水の管理をしてもらっていても、前回全部抜いたはずの雑草が思った以上に生えていました。
田の管理の大切さと難しさを感じるとともに、6月に比べて大きく育っている稲を見て、お米の収穫への思いが高まりました。
また、今回は天気も良く、みんな汗だくになってがんばりました。
平成23年第5回 棚田保全活動
「竹割り」
今回は、収穫したお米でご飯を炊くための竹筒を作りました。
竹を伐り出して枝を取り払い、片方の節を残してカップ型に切り分けます。
当日は天気もよく、18名の職員が参加しました。
枝を根元から切り落とす作業が難しかったですが、だんだんと慣れて、たくさんの竹筒を作ることが出来ました。
8月13日の田の様子
花の季節が終わり、稲穂が張る様子が見られました(「葉月(8月)」の語源には「穂張り月」という説もあるようです)。
次回はいよいよ稲刈りです。
平成23年第6回 棚田保全活動
「稲刈り」
4月に始まった棚田保全活動も、作業としては最後の「稲刈り」を迎えました。
稲穂にはたくさんのお米が実り、田は黄色に染まっていました。
今回は25名の職員が活動に参加しました。
稲を刈り、藁を使って一つに束ねます。今ではコンバインを使うことも多く、このような作業を行う農家は少ないそうです。
活動にご協力をいただいている地元の農家の方に手取り足取り教えていただいても、なかなか思ったようには束ねられず・・・何度も聞いては束ねてみる、の繰り返しでした。丁寧にご指導いただき、ありがとうございました。
竹で稲木を作り、刈り取った稲穂を「稲掛け」にし、十分に乾燥させます。
みんなで一生懸命作ったお米です。
少しでも残すともったいないので、刈り残しなどがないか最後にチェックしました。
次回は収穫祭です。脱穀して精米を行い、竹筒でご飯を炊く予定です。
平成23年 収穫祭
「収穫祭」
乾燥させたお米を脱穀、もみすり、精米し、8月の活動で作った竹筒を使ってご飯を炊きました。
炊き上がったご飯は、今まで食べてきたどのご飯よりも、おいしく感じられるものでした。
4月からの活動を通して、毎日当たり前のように口にしていたお米が、どのように作られているのかを知ることができました。そして、その一つひとつに作り手の思いと、自然の恵みがこめられていることを実感しました。
棚田保全活動を体験した職員のことば
- 「自然には多くの生き物がいて自然からの恩恵を受けており、人間もその中で生きているということ。頭では理解していたことですが、体験を通してそれを実感できました。」
- 「スーパーで簡単に手に入るお米もお野菜も、農家の方々の思いがこもっているのだとあらためて感じました。」
- 「月1回程度の趣味の園芸であれば楽しくできますが、農作業の難しさと農家の方々の苦労を実感しました。」